ART TRACE GALLERY

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作物の打楽

長沼 基樹 / 光藤 雄介 / 向井 哲
 
Dagaku of crops
 
MOTOKI NAGANUMA / YUSUKE MITSUFUJI / SATOSHI MUKAI
 

2018.10.15(mon) – 2018.11.6(tue) 12:00 – 19:00 水曜日、木曜日休廊 

レセプション 10.27(sat) 18:30 - 

作物の打楽

 

誰しも法隆寺を観て思うことは、他の場所、様々な理由で個別に制作されたものが、特定の場所、ある領域で一時のうちに組み直された、という印象ではないだろうか。その法隆寺に古くから伝わるサンスクリット写本の般若心経では、このようなことが書かれている。

さとりも無ければ迷いも無く
さとりが無くなることも無ければ
迷いが無くなることも無い

まるで法隆寺の金堂と五重塔の配置が、はじめから独自の関係を持っているかのようであるが、実は何も関係などは無いと言っているようにも聞こえる。しかしこのことは関係として捉えるというよりも、ある種の秩序をわれわれに明らかにしているように思える。

建築史家が資料だけではなく、現存する遺跡や自らの想像を駆使して、古代の研究を行うのは知る由も無い建造物を解明するためだが、般若心経をサンスクリット語から漢訳した古代の翻訳家も同じように想像を駆使しなければならなかった。自ら設けた壁と言ってしまえばそれまでだが、われわれには迷いなく代用品を揃えることに躊躇いがあるように、日々の暮らしで利用している言葉では収まりがつかない。

日常的な分別でまかなえるのであれば通常の規則にならい変換することに労はないが、宗教的なニュアンスや哲学的な想念を翻訳する場合は、われわれは無理に意訳せず音写を選択する。音写はメッセージを孤立させはするが、もの言わぬ事柄からわれわれは無理に事由を語らせようとはしない。むしろその不特定な事柄との距離を維持することで、その物性が直接示す効果に期待するのだから。

 

 

 

 

樹の根 葉の音 雨の量

これらは地霊の沈黙を破り

古来から生きる現存の音声へ

ふたたび連れ戻される

打楽は祭儀をもって演目を刻印し

われわれの作物も

振動による境界で示現されるまで

曲がり 落とされ 飛び散る

 

Tree root leaf sound rainfall

These break the silence of the ancient spirit

Into the present voice

Bring back again

Dagaku engraves the program through rituals

Our crops are also

Until they manifest at the climax of vibrant threshold

Bent dropped scattered

 

[企画/向井]

 

・作家略歴 

長沼 基樹 / NAGANUMA, motoki

1977年 群馬県生まれ

2001年 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業

2003年 武蔵野美術大学大学院造形研究科美術専攻油絵コース修了

 

個展

2014年 「新世代への視点2014 とまるとうごく」なびす画廊/東京

2011年 「トーキョーワンダーウォール都庁2010 ものさしの上の風景」東京都庁/東京

     「emerging2011 ものさしの上の景色」東京ワンダーサイト本郷/東京

2010年 「small ground」なびす画廊/東京

2006年 「caress」なびす画廊/東京2006年 「caress」GFAL/東京

2005年 「flowers」なびす画廊/東京

 

グループ展

2017年 「なびす画廊最後の十日展」なびす画廊/東京

2016年 「絵画と物語Ⅱvol.2」ART TRACE GALLERY/東京

     「絵画と物語Ⅱ」なびす画廊/東京

2014年 「絵画と物語」ART TRACE GALLERY/東京

2013年 「Imago mundi」クエリーニ・スタンパァーリア財団/イタリア

    「ワンダーシード2013」トーキョーワンダーサイト本郷/東京

2012年 「5月のおくりもの」なびす画廊/東京

2010年    「トーキョーワンダーウォール公募2010入選作品展」

2008年 「新世代への視点2008・小品展」ギャラリーなつか b.p2006年/東京

     「春のおくりもの」なびす画廊/東京

 

受賞歴

2010年   トーキョーワンダーウォール公募2010 大賞
       大賞受賞作品をつくばエクスプレス秋葉原駅の改札正面(B1F)に展示(2010年9月~2011年8月)

 

コレクション

Fondazione Benetton Studi Ricerche (ベネトン財団)

 

光藤 雄介 / MITSUFUJI, yusuke

1982年 大阪府生まれ

2008年   多摩美術大学美術学部芸術学科卒業

 

個展

2016年 「Transparency」switch point/東京

2014年 「Slow Rush」LOOP HOLE/東京

 

グループ展

2018年 「約束のフォルム」アキバタマビ21・3331 ART FAIR/東京

2017年 「ちからの交換」LOOP HOLE/東京

2016年 「SOME THINKS:平らであるよりも 波打っていたいのか」アートラボはしもと/神奈川

     「一枚の絵の力 vol.5」TS4312/東京

     「AFAF AWARDS 2016」福岡アジア美術館 交流ギャラリー/福岡

2015年 「ループホール10周年記念展 The first decade of LOOP HOLE」府中グリーンプラザ・LOOP HOLE/東京

     「第10回大黒屋現代アート公募展」板室温泉大黒屋/栃木

2014年 「FUCHU OF MADNESS ―無名祭祀書―」LOOP HOLE/東京

2013年 「ワンダーシード2013」トーキョーワンダーサイト本郷/東京

2012年 「第7回新池袋モンパルナス 西口まちかど回遊美術館」岡三証券 池袋支店/東京

     「第7回大黒屋現代アート公募展」板室温泉大黒屋/栃木

2011年 「千代田芸術祭2011 3331アンデパンダン」アーツ千代田3331/東京

 

向井 哲 / MUKAI, Satoshi

1972年  神奈川生まれ

1996年  Bゼミ Schooling System 修了

 

個展

2013年  ART TRACE GALLERY/東京

2012年  なびす画廊/東京

2008年  村松画廊/東京

2007年  村松画廊/東京

2006年  なびす画廊/東京

 

グループ展

2018年 「3331ART FAIR」アーツ千代田3331 「布置を描く」 ART TRACE GALLERY/東京

2017年 「シャッフル展 “Are we open?“」ART TRACE GALLERY/東京
    「なびす画廊最後の十日展」なびす画廊/東京

2016年 「絵画と物語Ⅱvol.2」ART TRACE GALLERY/東京
    「絵画と物語Ⅱ」なびす画廊/東京

2014年 「絵画と物語」ART TRACE GALLERY/東京

2013年    「Invisible-Division of Labor」ART TRACE GALLERY/東京

2012年 「5月のおくりもの」なびす画廊/東京