The Noisy Garden, The White Crypt
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稲垣 美侑 Miyuki Inagaki
岡本 羽衣 Hagoromo Okamoto
2020年9月5日(土)-9月22日(火) 12:00-19:00 水曜休廊
September 5 - September 22, 2020 12:00-19:00 closed on Wednesdays
★オープニングパーティー、パフォーマンス 9月5日(土) 17:00-19:00
Reception September 5, 2020 17:00-19:00
Performance Event September 5, 2020 17:30- Mao Nakagawa (Choreographer / Performer)
どこからが光でどこからが影なのか、この二つの境界を私たちは明確に見分けることができるのでしょうか。絶え間なく刻みつづける歴史に内包される正義や悪、私たちの日々の暮らしに寄りそう昼と夜、あるいは現代においては個と集団の関係についても同様のことが言えるでしょう。もし、社会がある一つの家だとしたら、「私」が所有している土地の境界はどこにあり、いつからひかれ始めたのでしょうか。
稲垣美侑と岡本羽衣は、互いの異なる視点から、どこにでもあるような「家」を私たちが暮らす社会状況や環境に見立て、その周辺に位置する「庭」と「地下室」にそれぞれのイメージを重ね合わせます。
稲垣にとって庭は、植物や虫、鳥などの生物たちの圧倒的な生へと向かう自然の営みとその側で暮らす人間との関係を紡ぐ場であり、その生きる光に晒された庭の風景を通して、外へと向かって眼差す自己の在り方を問います。それに対して岡本の地下室は、何かを"覆うための空間"という機能を歴史の流れの中で扱われてきた「地下室」のイメージと照らし合わせます。そして、その忘れ去られた暗がりの空間に人間の不安や恐怖を見出すことによって、暗闇からもう一度、人間の存在を確かめようと試みます。
一見、それぞれ異なる方向へと向かっているように思える双方の眼差しが、架空の「家」のイメージを通過することで、再び他者へと出会うための入り口が開かれるでしょう。そして、そこからようやく私たちに新たな対話が生まれると信じています。
稲垣美侑 岡本羽衣
★作家略歴
稲垣 美侑 / Inagaki Miyuki
https://www.miyukiinagaki.com/
1989年生まれ。自らが訪ね歩いた土地や人々の暮らす場所、その日常的風景への眼差しから、土地と主体をめぐる場景とそのイメージを繰り返し探る。近年は油彩画や布などを用いた空間表現により、言葉を紡ぐように色彩を重ね、絵画を媒介として光の織りなす景色を顕在化している。主な展示に「パラランドスケープ “風景”をめぐる想像力の現在」(三重県立美術館: 三重県、2019)、「ほとりと羽ばたき」(CLEAR GALLERY TOKYO: 東京、2019)、 「Count the Waves 見えないものをつなぐ」(東京藝術大学 大学美術館 陳列館: 東京、2019)など。
岡本 羽衣 / Okamoto Hagoromo
https://hagoromookamoto.tumblr.com/
1990年生まれ。「クオリティカル・エヴィデンス」(質的証拠品)をテーマに、今なお残存しながらも社会のなかで置き去りにされ続けてきた場や歴史的事件などに焦点を当てながら、個人の身体を介した経験から生まれる質的な記憶を掘り下げ、私たちに内在化されたイメージの地平を問う。これまでの展示に「Endless Void」(Democracy and Human Rights Memorial Hall: ソウル、2019)、個展「Middle of Nowhere」(mumei: 東京、2018)、個展「や、をうん」(おやすみ帝国 / 石巻のキワマリ荘: 宮城、2018)、個展「Ich habe nicht mal gefrühstückt」(SomoS: ベルリン、2017)など。